こんにちは、スタッフ”I”です。本日も建築のお勉強です。いよいよ「日本の住まい」について学習します。日本の住まい?日本の風土に合った工夫のされた家のことです。古臭いから興味ないよ、なんて方も今一度見直してみてください。なるほどとうなづけること請け合いです。参考にしたテキストは、「住まい方を考える①住まいのしくみを知る」監修:益子義弘、出版:あかね書房です。
Photo by/カモライダーバイク馬鹿おやじのブログ
日本家屋を庭先から覗きこんだような図です。部分別に見ていきましょうね。
1.屋根
伝統的な茅葺屋根です。茅とはイネ科の植物で、手軽に身近に手に入る材料だったそう。今では瓦が使われることの多い日本の家ですが、古い家にはそんな理由があったんですね。傾斜のつけられた屋根は雨が降っても、下に流れ落ちる仕組み。梅雨や台風の多い日本ならではという感じです。
2.ひさし
長いひさしをつけることで、雨水が、家の中を濡らさないように工夫されているそうです。夏の暑い日差しが直接入ってくるのも防いでいるのだとか。縁側に小陰をつくるだけでなく、ちゃんと役割があるのですね。木でいうところの葉っぱでしょうか。
3.障子
外の風や熱を遮りながら明かりを取り入れます。たしかに格子状の枠に貼られた和紙は、明かりに透けます。遮断しながら、明るさは確保できる優れモノのようです。
4.壁
昔の家って漆喰で出来てますよね。これも身近で豊富に手に入りやすい建材だったよう。空気中の水分を吸って湿度を一定に保つ働きもあるというので、そう悪いものではないかもしれません。漆喰の壁なんてダサいなあ、なんて方もちょっと見直してみては。
5.縁側
出ました縁側。これぞ、日本家屋。
家の中に直射日光を入れないためにあるようです。夏は涼む場所、冬は日向ぼっこする場所としても使えるのだから縁側って良いですよね。ご近所の方との交流も縁側で行われていたそうです。
しかし、縁側というと盆栽のイメージ。
何故でしょう(笑)。中のようでありながら外って不思議な空間ですね。将来リタイアしたら縁側のある日本家屋でお茶を啜りたいです(笑)。
6.基礎
この置いてある石、なんだと思います?下から上がってきた湿気で柱が腐らないように、高くつくってあるそうです。へえ、考えたものですね。確かに柱が腐ったら家が崩れてしまいます。木の特性を知り尽くした工夫といえるでしょう。
Photo by/鳥丸経済新聞
7.格子
風通しや明かりとりのためにあるようです。開放的な暮らしながらプライバシーを守ることができるのだとか。格子ってちょっと可愛いですよね。今回は欄間を紹介していませんが、格子と並んで、日本家屋ならではの装飾になっています。この良さはこれからも受け継いでいきたいですよね。
8.ふすま
部屋と部屋とを仕切る引き戸。平安時代の間仕切りが変化して今のふすまになったそう。ふすまは開放的な面、鍵がつけにくいという難点があります。昔だったら心配ないのでしょうが、ちょっとその辺、気にかかります(笑)。
9.畳
これぞ、日本家屋(2回目)。
い草で編んだ日本ならではの床材。靴を脱がないと上がれないのも日本ならではですね。余談ですが、私は畳の上で寝転がって昼寝するのが好きだったりします。なんか硬いけど、植物の安心感があって良く眠れるんですよね。将来おばあちゃんになったら、やっぱり畳の部屋で寝たいなあ、なんて思います。そして押し入れにドラえもんがいたら最高(笑)。
Photo by/前田伸治 + 暮らし十職
10.開放的な間取り
ここまで日本家屋をざっと見てきましたが、最大の特徴といえるのがこれでしょう。ずばり、人が大勢集まるとき、ふすまや仕切りを取り払って、自由な間取りにできること。人が大勢いなくたって、涼しさがほしければ、全部のふすまを開け放って風通りを良くしてしまえば良いし、この開放的な面が日本の文化に根付いているなあと思います。必要なときはプライバシーを保てて、開放的に開け放すことができる。高温多湿の夏を抱える日本ならではですね。
11.土間
最後に、忘れちゃいけないのが土間です。今でこそ、玄関の広さは靴を置いたり、自転車を置いたりするスペースですが、昔はここで炊事なども行われていたそう。漁具や農具の手入れにも使ったそうですから、昔の家の土間が広いのはそのせいですね。広い土間を見ると、ああ、古き良き日本の家だって感じがします。ちょうど昔に遊びに行った友達の田舎のおばあちゃんの家がこんなだったかなって。
さて、ここまで日本家屋の細部を見てきましたが、いかがですか?夏の暑さを防ぐため、開放的なつくりになっていたようですが、部屋を開け放していると、他の人の声や、姿が見えてしまいます。開放的なつくりながら、人と人との「間」を大切に培われてきた日本家屋の伝統。
思わず古民家を改装した民宿とかに泊まって、日本家屋の良さを体感したくなってしまいますよね。日本に住んでいる日本人だからこそ、知っておきたい、日本の古き良き建築。次回もまた私と一緒に建築のお勉強を致しましょう。ご精読ありがとうございました。
参考文献:「住まい方を考える①住まいのしくみを知る」監修:益子義弘、出版:あかね書房