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蛇口の取り換えは 『給水工事』 の基本中の基本です。覚えておけばいろいろと応用が利くので、ぜひこの機会にマスターしておきましょう。女の方でもきっと出来ますよ。 水は、少しぐらい漏れてもガスや電気のような危険は殆どないので、思い切ってチャレンジしてみて下さい。
今回は、最も一般的な壁付きの単水栓(横向きに付ける水栓)を対象に解説します。講師は私、『給水装置工事主任技術者』 及び 『一級配管工』 の 松本がいたします。
さあ、いよいよ作業に取り掛かるのですが、まず最初にしておく事があります。それは、水を止める事です。 今ご家庭の水道配管は水圧がかかっている状態です。この水圧をゼロにしてやらないと蛇口を外した時に、水が噴出してびしょ濡れになってしまいます。出来ればさけたいですね・・・
一戸建て住宅ならお庭のどこかに 「量水器」 や 「止水栓」 と書かれたフタが無いでしょうか? 形は市町村によって違いますが大体左のような感じです。このフタを開けると、水道メーターとバルブがあると思います。大体2つセットでありますので間違わないようにして下さい。もし埋まっていたら掘り起こして下さい。 (一戸建て住宅以外の水の止め方は下を参照)
このバルブを閉めます。時計回りに回して下さい。 長年触ってないバルブはとても硬い場合があります、そんな時は、「少し時計回りに回してまた戻す、また回してはまた戻す」を繰り返します。 「3歩進んで、2歩下がる♪」の365歩のマーチ攻撃(-_-) で段々とハンドルが軽くなります。
さて、完全に回しきったら、水が止まっているはずです。どこかの蛇口を開けて確かめて下さい。
もし水が止まっていなかったら、次の事を疑ってください。
ただし、ちょろちょろと少しだけ水が出る程度でしたら作業は出来ます、続けてみましょう。
※ 一戸建て住宅以外の水の止め方
さて、いよいよ古い蛇口を取り外すのですが、その前にホースなどの付属品は全て外しておいて下さい。もちろん水が止まっている事が大前提です。
ついでに言っておくと今日の作業で最も大事な事は 【写真B】 のメスネジを傷つけない事です。これを傷つけると水漏れの原因になったり、ひどい場合はメスネジ部分が裂けてしまいます。そうなると水栓柱や配管ごと取替えなくてはならなくなります。ここを一番気をつけて下さいね。
【写真A】
【写真B】
【写真C】
新しい蛇口にシールテープが巻けたら、これを先程のメスネジにねじ込みます。ねじる方向は時計回りです。両手でしっかり握り、固くなるまでゆっくりねじ込んで下さい。充分固くなってきたら、ちょうどいい位置(【写真D】の位置)で決めます。力の加減は例えるなら、お父さんが全力で回して「もう少し回りそうだけど・・・」というぐらいで止めておくのがちょうど良いんです。
大事な事はねじ込み過ぎない事(メスネジを傷つけます)、それを防ぐために最初は手だけでします。
どうしても、中途半端な位置で止まってしまう事があります。【写真E】や【写真F】の場合です。 【写真E】 ぐらいの場合は、スパナを使います。残りの90度ぐらいを 【写真G】 のようにタオルでくるんでスパナをかけて回します。( タオルでくるむのは新しい蛇口を傷つけない為です。)※ 工具で回すのは90度ぐらいまでにしておきましょう。 【写真F】 のように、全然足りない位置で止まってしまった場合は、面倒ですが、3.蛇口にシールテープを巻くからやり直しましょう。 その時に巻く回数を変えてやり直します。さっきは6回でしたので今度は8回とかにしてみます。もしまた駄目でも、何度も何度もやり直して下さい。プロも同じ事をやってます。
【写真E】
【写真F】
【写真G】
ここで、もしやり直した場合、前回巻いたシールテープをどうするか?と言う問題が出てきます。 これは全て取り除いて一からやり直しても結構ですし、剥がれかけた半分程度を取り除いても、あえて全く取らずその上から巻き直しても構いません。要は最終的に水が漏れなければ良いのですが、私の経験上「剥がれかけた半分程度を取り除いて、その上からもう一度巻き直す」方法が最も確実かと思います。 また、これはあくまでも参考ですが、一般的な蛇口(単水栓)は、4周ネジ込んでちょうど正位置付近に来るようになっています。が、微調節はあくまでもシールテープで行います。(条件によっては稀に3周または5周の場合もありますが・・・)
さて、出来たら確認のため【写真H】のように真正面から見てまっすぐになっているか確かめます。ついでに手で動かしてみて下さい、グラグラしないでしょうか? 壁側(水栓柱側)と殆ど隙間無くピッタリと付いているでしょうか?大丈夫ならOKです。
さあ、いよいよ最終確認です。水をはって見ます。 さっき閉めたバルブを開けてみて下さい。(反時計回りに回します) まず、取り付けた蛇口をひねってエアー(空気)を抜きましょう。ついでに水が出るかも確認して下さい。確認したら蛇口を閉めて3分間ほど待ちます。 3分経って、蛇口の根元(写真の赤い矢印) から水漏れはありませんか? もし水漏れがあれば2.水を止めるからやり直して下さい。 もしなければOKです。
お疲れ様でした 完成 です。
ちょっと、分りにくかったかもしれませんが、知識が全くのゼロの方にも理解してもらえるようにがんばったつもりです。もし、参考にでもなれば幸いです。ぜひ、日曜日にでもお父さん、お母さんがんばって下さい。※ 作業は各自の責任で行って下さいね。
最後に、作業がややこしくならない為に基本の法則を書いておきます。
※一般家庭の水道器具は、99% が上記に当てはまります。