蛇口も10年以上使用していれば内部部品が劣化し水漏れを起こします。蛇口からポタ、ポタと水漏れを起こすと水道代のムダだけではなく、気持ちも落ち着かなくなるので 出来るだけ早め直したいものです。
蛇口のハンドル内部部品は大きく分けて「コマパッキン式」「ノンライジング式」「カートリッジ式」などがありますが、今回は昔から現在に至るまで広く使われている「コマパッキン式」の水漏れの対処法をご紹介します。
吐水口からポタ、ポタと落ちる水漏れのほとんどはコマパッキンの劣化が原因で水漏れします。「ハンドルを強く締めても水が漏れる」というお話をよく聞きますがコマパッキンが劣化・傷んでいるので、いくら強く閉めても意味がありません。
コマパッキンはホームセンターで数百円で手に入り、当店でもコマパッキンを販売しています。ご家庭用の一般的な工具さえあれば交換もとても簡単です。水道屋さんを呼ばなくても直せるのでトライしてみましょう!
①コマパッキン(コマケレップ、コマともいいます)
②モンキーレンチ
コマパッキンはホームセンターで必ず売っています。小さな部品で探しづらいと思いますが店員さんに「呼び13のコマパッキン」と伝えれば分かります。ちなみに「呼び13」とは標準ネジ規格1/2インチをミリメートル換算すると13mmとなり、昔から使用さている呼称です。商品のパッケージにも「呼び13」と表記されています。 その他に業務用で使われる、もっと大きいサイズの「呼び20」もありますが、一般家庭では「呼び13」で間違いないでしょう。
これから修理作業に取り掛かりますが、絶対に忘れてはいけないことがあり、それは止水栓を閉じることです。 止水栓を閉じ忘れると修理作業中に蛇口から水が吹き出て、家中が水浸しになります。
画像左のようにカウンターに立っている「台付(立型)水栓」の場合はカウンターの下に「止水栓」が必ずありますので、これを閉じてください。
画像右のような壁に蛇口が取付いている「壁付(横型)水栓」の場合や止水栓の位置が分からない場合は家屋全体の水道の「元栓」で水を止めます。一戸建て住宅なら水道メーター近くに 「量水器」 や 「止水栓」と かかれたフタがあり、そこに元栓があるはずです。
マンションやアパートなどの集合住宅の場合は玄関横のパイプシャフトの中に水道の「元栓」があります。
「止水栓」「元栓」ともに時計回りで水が止まります。また水漏れしている蛇口の「元栓」であるか間違いのないように、蛇口からお水を出しつつ「元栓」を閉じて、水が止まるか確認しながらするとよいでしょう。
水栓上部を取り外した逆の手順で取付けます。注意してほしいのはカバーナット締め込みの力加減です。まずはカバーナットを手締めで締め込んで、最後に工具で締め込みます。工具での締め込みは7割程度の力加減にします。力を入れすぎるとコマパッキンが破損したり、ハンドルの開閉が固く(重く)なります。
それでは止水栓・元栓を開いて通水し、水漏れがないか確認してください。問題なければ修理完了です。
カバーナットがハンドルに隠れている場合はキャップの隙間にカッターなど尖ったものを入れ込むとキャップが簡単に外れます。キャップが外れたらプラスネジがでてくるのでドライバーで外してください。
画像の左側が一般地仕様、右側が寒冷地仕様です。スピンドルに取付いているコマは一般地仕様と寒冷地仕様で異なり、一般地仕様は分離していて、寒冷地仕様はスピンドルに固定されています(固定コマ)。 寒冷地では冬場に蛇口の中が凍結しないようにハンドルを開いて止水栓を閉め、水道管内に空気を入れて水を排出して凍結を防ぎます(水抜き)。寒冷地仕様の固定コマはハンドルを開くとコマも一緒に上がるので空気が通り、水が抜けやすくなります。 一般地仕様のコマはハンドルを開いても水が出てこなければ、コマは下に落ちたままになり水抜きができません。
寒冷地仕様の場合も一般地仕様と同様にコマパッキンを交換すればいいわけですが、固定コマをスピンドルに固定しているネジがもともと固く締め込まれ、さらに劣化した固定コマのネジは錆びている場合が多いので一層取り外しが難しく、ネジ山を潰してしまうケースがとても多いです。その場合、寒冷地仕様のスピンドルごと交換した方が早く水漏れを解決できます。