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台付8インチタイプ混合栓とは、ヨーロッパやアメリカで伝統的に普及している「8-inch widespread faucet」から来ており、ホテルや高級住宅など意匠性を凝らした高額な商品が多いのが特徴です。
形状は下記の2種類に分類されます。
ここでは「3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓」について説明していきます。
3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓の使用場所は洗面所が最も多く、その他にはキッチンやバスタブなどで使用されています。 また呼称・表記ですが統一された決まりはなく、各水栓メーカーやそのカタログ、会社や個人などにより呼び方や表記が異なります。
「台付8インチタイプ混合栓(3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓)」について呼称、使用場所、種類と構造、取付け方について考察してみます。
また解説画像の蛇口は3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓として標準的な構造の【Matilda】スパニッシュ・キャッスル・ネオCC(ブラス)を使用しています。
【Matilda】スパニッシュ・キャッスル・ネオCC(ブラス) MA425C8-PB (L156×H103/吐水口)
洗面ボウルには「3ホール/8インチ・センターセットタイプ洗面ボウル」という規格があります。8インチ間隔で穴開けされた2つの穴の中央(センター)に、もう1つ穴が穴開けされている(セットされている)洗面ボウルの規格です。
この規格の洗面ボウルに取付けられる蛇口を「3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓」と言います。
「3ホール/8インチ・センターセットタイプ洗面ボウル」の穴間隔の規格は下記(1)(2)の条件を満たします。
※1インチ=25.4mmなので8インチ=203.2mm。多くのメーカーでは小数点を切り捨てて203mm、または小数点を切り上げて204mmと表記します。このページでは8インチ=204mmで解説します。
また穴径は一般的に洗面シンクφ35mm、キッチンシンクはφ38mmで穴開けされています。
ただし下記の表のとおり、各メーカーとも3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓という呼称は、インチ表記や英語表記など日本の消費者がイメージしづらいことから、消費者向けに採用していません。
メーカー | キッチン用 | 洗面所用 |
---|---|---|
TOTO | 混合水栓(台付き2穴) | 混合水栓 |
LIXIL | ツーホールタイプ | |
KVK | 混合栓 | 混合栓 |
カクダイ | 混合栓(キッチン2穴台付) | 混合栓(洗面)3ホール |
SANEI | 台付混合栓 | デッキ混合栓 |
ミズタニバルブ | 混合栓(2穴) | 混合栓(取付けピッチ200mm) |
3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓は下記3つが別体式となっており、給水ホースで接続します。
水側・湯側ハンドルボディと吐水パイプボディを設置する間隔に決まりはなく、干渉しなければ間隔を近づけて設置することが可能で、また給水ホースが届く範囲で間隔を離して設置するこも可能です。
102mm×2=204mm間隔の取付け穴にバランス良く設置できるように設計されていることが分かります。
台付8インチタイプ混合栓の「3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓」は意匠性や止水機構など異なる部分はありますが、次のような構造・特徴・共通点をがあります。
従って、下記の蛇口は全て3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓に分類されます。
【Matilda】スパニッシュ・キャッスル・ネオCC(ブラス)を例に取付けてみます。3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓は機種により様々な取付け方がありますが、同じような取付け方をしますので参考にしてください。
洗面ボウル:【St.Thomas Creations】リッチモンド 1107-080-01
【ハンドルボディ部分】
①サインキャップ②サイン③プラスネジ④ハンドル⑤エスカッションリング⑥台座リング(天板上パッキン付)⑦天板下パッキン⑧固定ナット
【吐水パイプボディ部分】
⑨天板下パッキン⑩固定ナット⑪二又ソケット⑫水・湯給水ホース
⑦ の画像では写真撮影の都合上、レンチを使用していますが、この作業のときカウンター(シンク)下が非常に狭く、工具(レンチなど)を横向きに入れられない場合があります。
そのようなときは縦向きに締め込める「締め付け工具」を使用します。
この蛇口のハンドルボディの固定ナットは六角対辺35mmなので、画像の締め付け工具を使用します。
上述のとおり、水側・湯側ハンドルボディと吐水パイプボディを設置する穴間隔に決まりはありませんので、天板に穴開けするときは任意の穴間隔で開口します。
ただし3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓は「3ホール/8インチ・センターセットタイプ洗面ボウル」に取付けたときにバランスが良く見えるように設計とデザインしているため、「3ホール/8インチ・センターセットタイプ洗面ボウル」の穴開けを基本にするのが良いでしょう。
楕円形の洗面ボウルと組み合わせて3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓を天板に取付けるときは、楕円形の曲線に沿わせるように穴開けすると見た目のバランスが良くなります。
【St.Thomas Creations】アンティガ・グランデ 1003-000-01
楕円形の洗面ボウルと組み合わせて3ホール/8インチ・センターセットタイプ混合栓を天板に取付けるときは、楕円形の曲線に沿わせるように穴開けすると見た目のバランスが良くなります。